【海の『雑学』②】海に生きる不思議な生物 奇妙な生物

【『海』の雑学 】
スポンサーリンク

海のお掃除役、透けるタコ、海の牛

海洋生物のお掃除役『クリーナーシュリンプ』


クリーナーシュリンプ』はエビの一種なのですが、他の生物の寄生虫や死んだ組織を取り除くことで知られており、それにより魚や海洋生物の健康をサポートしています。主にサンゴ礁や岩礁地域、浅瀬などで見られ、鮮やかな色合いや動きが特徴的です。そのため、水槽内での清掃活動や生態系のバランスを維持するためにも人気のある生物です。


【クリーニングと相互利益】

クリーナーシュリンプは他の生物に寄生する寄生虫や死んだ組織、水槽では食べ残しや腐敗物などを食べて清掃しています。その為、寄生虫が付いている魚などの生物が、クリーナーシュリンプに近づいて寄生虫を取り除いてもらうことでWin-Winの関係を得ています。

【群れで活動】

クリーナーシュリンプはしばしば群れを形成し、共同でクリーニング活動を行います。それにより、広い範囲をカバーし、多くの生物のクリーニングが可能となります。

【観賞用でも人気】

実は、クリーナーシュリンプは観賞用としても人気があり、リーフアクアリウム〔奇麗な海洋生物や色鮮やかなサンゴの鑑賞〕などで飼育されることがあり、水槽内でクリーニングを行う姿を楽しむことができます。

(スカンクシュリンプ)

(キャメルシュリンプ)

(オトヒメエビ)

深海に生息『スカシダコ』


スカシダコ(Vitreledonella richardi)は、深海〔熱帯や亜熱帯の海〕に生息する特異な軟体動物の一種になります。体長は45cmぐらいとされています。通称:ガラスダコ


形態・生活習性

主に深海の海底に生息し、特に水深1000メートル以上の光の届かない深度に生息しています。

周囲の環境に溶け込むそのガラスのような外観は、深海の暗い環境に適応した進化の産物で、外敵から身を守る戦略と考えられています。体は柔らかくほぼ透明であることから内臓や体内構造が外から見えてしまうほどです。


【プランクトンを捕食】

小魚や小さな甲殻類などのプランクトンを捕食するといわれます。スカシダコの透明な体は、獲物に気づかれることなく接近でき、捕食する際にも役立ちます。


【繁殖の詳細は分からない…】

スカシダコの繁殖に関する詳細はあまり知られていません。

深海の生物であるため、繁殖に関する研究はとても困難だといわれます。その透明な外観や深海の神秘的な環境に存在するスカシダコは、生態学的にも興味深い生物の一つです。しかし、その生態系や行動に関する情報はまだ限られています。



貝殻がない巻貝『ウミウシ(海牛)』


ウミウシ(海牛)〔触覚が牛に似ているため〕は、美しい色や模様を持つ海洋生物で後鰓類(こうさいるい)〔巻貝の仲間〕に分類される軟体動物になります。

後鰓類は、一般的に軟体動物の中でも進化の過程で洗練されたグループであり、外部の保護をする(から)を持たないことが特徴です。体は柔軟で、(えら)は体の外部に露出しており、鰓を含む頭部周辺の部分が外敵から身を守るための主な構造となっています。

〔後ろの沢山フワフワしているのが鰓(二次鰓といって水中の酸素を取り込みます)〕

体の形状は多様で、鮮やかな色や斑点、線状の模様、リボン状、扁平で広がった形をしているものもいます。

人気の(アオウミウシ)

【生息地】

ウミウシは世界中の海洋に広く分布しており、さまざまな環境に生息しています。そのため浅いサンゴ礁から深海までいろいろな場所で見られます。岩礁やサンゴの隙間に生息したり、砂底や泥底で見つかったりもします。


【食性】


ウミウシの食性は非常に多様で種によって異なります。藻類海綿サンゴホヤ小さな甲殻類など様々な生物を食べます。

(海綿)

【有毒な種類も多い】

ウミウシの多くは毒を持っています。捕食者から身を守るために使用するのですが、鮮やかな色彩は、その捕食者に対する警告の役割を果たすこともあります。そして、ウミウシは自身が有毒な生物を摂取しそれを利用して毒を作り出す種類もいます。

【触角の役割】

ウミウシの触覚は、周りを探知したり、餌の捕獲に重要な役割を果たします。

触覚は周囲の水中に溶けた化学物質を検知することができるといわれ、それにより食料を見つけたり、捕食者から身を守ったりすることができています。

(ヒョウモンウミウシ)

泳ぐウミウシ(ムラサキウミコチョウ)

面白い形の(キッカミノウミウシ)


ウミウシはその美しい見た目や生態学的な興味深さからダイバーにも人気があります。