【宇宙の面白い『雑学』①】太陽系最大の山、ブラックホール永遠の時

【『宇宙』の面白い雑学 】
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宇宙の天体、ブラックホール、太陽系一高い山

太陽系で最大級の山『オリンポス山』

火星※にあるオリンポス山(Olympus Mons)は、太陽系で最も大きな山(盾状火山)〔平らな広がりを持つ大きな盾のような形状〕になります。高さは約21,900メートル(約21.9キロ)で、その裾野の直径は約600キロメートル(東京から直線距離で青森ぐらいの距離)にも及びます。

地球ではハワイ諸島のマウナ・ケア山(Mauna Kea)などは、典型的な盾状火山の例になるのですが、盾状火山の噴火は通常、爆発的なものではなく、比較的長い周期で穏やかに噴火し溶岩が流れるため、広がりのある緩やかな斜面の形状となります。

マウナ・ケア山


オリンポス山は、数十億年前に形成されたと考えられているのですが、火星の地質活動の影響によりマグマの供給源が生じてしまい、その結果、巨大な盾状火山ができたと考えられています。

地球上で最も高い山エベレスト山(約8,848メートル)ですが、その約2.5倍近くもある、遥かに高いオリンポス山は地球を含む太陽系で最大級の山(火山)といわれます。

※近年では望遠鏡の精度も上がり、太陽系にある小惑星(準惑星)『ベスタ』レアシルヴィアの中央丘22,000メートルで太陽系で一番大きい山(天体が衝突してできた)とも言われるようになっています。


※【火星とは】

火星は太陽系の惑星で地球から4番目に位置しています。赤い表面二酸化炭素からなる薄い大気が特徴で、火星の北極と南極付近には二酸化炭素の氷(ドライアイス)が存在します。探査機により火星の地形や大気が詳細に調査され、かつて液体の水が存在した可能性も示唆され、将来の有人探査の対象としても注目を集めています。


時空を歪め異次元に引きずり込む『ブラックホール』

ブラックホールは極めて強力な重力を持つ天体で、光ですら逃れることができない領域を形成しています。通常、巨大な星が崩壊すると中心に質量を集めるそうなのですが、そのときの引力が光速を超える速さで物質を吸い寄せ肉眼では見ることができない境界を生み出します。

そして、ブラックホールの近くでは時間が通常よりもゆっくりと流れる現象が起こると考えられています。それは、ブラックホールの強力な重力場〔物体と物体に常に働く引力〕が時間を歪ませ、通常の時間経過が遠くから見ている観測者側に比べて遅くなるからということなのです。

もしも、その過程を遠くから観測できた場合どうなるのかというと、物体がブラックホールに近づくにつれその動きが鈍くなり最終的には停滞してしまう(永遠の時間)ように見えるが、一方その物体自体は通常の速さで進んでいると感じるであろうと研究者は考えています。

そして、境界を越えてしまったら外部の観測者にはそれがどのような状態であるかを知ることが不可能と考えられています。

ブラックホールはどのように形成されたのか…

ブラックホールは、非常に大きな質量を持った星が崩壊する過程で形成されます。星が核融合反応※によるエネルギーを生み出すことができなくなると、重力が優勢になり、星の中心部が非常に小さく、質量が非常に集中した領域へと崩壊してしまうと考えられています。その時に形成されるのがブラックホールです。

【核融合反応とは】二つの原子核が結合してより重い原子核を形成する過程になります。通常、太陽などの恒星〔自ら光を発する星〕では水素原子核が高温・高密度の環境で融合し、ヘリウムの元素が生成されます。この反応の際に膨大なエネルギーが放出され、それが太陽のエネルギー源となっています。


宇宙最大級の『ブラックホール』


ブラックホールは主に質量によって区分されています。


恒星質量ブラックホール(こうせいしつりょうブラックホール)

質量が太陽の数十倍の星が崩壊して形成される。

※ブラックホールになるには太陽の約20倍以上の質量が必要と考えられています。

【中間質量ブラックホール(ちゅうかんしつりょうブラックホール)】

質量が太陽の数百~数万倍持つもので、その存在がまだはっきり確認されていませんが、観測データからの仮説があるようです。


【超大質量ブラックホール(ちょうだいしつりょうブラックホール)】

質量が太陽の数十万から数十億倍を有する巨大なもので、ほとんどの銀河の中心に存在していることから、銀河の進化と何らかの関連があると天文学者は考えているようです。

≪宇宙最大級ブラックホール≫

現在発見されている最大級のブラックホールは、地球から約27億光年も離れた銀河『Abell 1201 BCG』の中心にあるもので、実に太陽の約327億倍もの質量を持つ観測史上最大級のブラックホールと言われています。


【原始ブラックホール(げんしブラックホール)】

宇宙初期(ビッグバン)の直後に形成されたとされる、通常の星の崩壊ではない異なるプロセスによって生じたとされる仮説的なブラックホールです。これについてはまだ確証が得られていません。


ブラックホールは宇宙の奥深くに潜む謎に満ちた存在であり、私たちの理解を超える不思議な現象がそこで広がっています。