【世界のゾッとする出来事『雑学』②】731部隊人体実験、監獄実験

【 世界のゾッとする出来事 】
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世界で行われた人体実験

『731部隊』と人体実験


731部隊は、1937年から1945年にかけて、第二次世界大戦期の大日本帝国陸軍が中国で秘密裏に設立した生物戦部隊〔正式名称:関東軍防疫給水部※〕でした。731部隊の創設者は初代隊長の石井四郎軍医〔汚水を浄化し飲料水に濾過するとされる石井式濾水機を開発した人〕になります。この部隊は、当時の満州国ハルビン市を拠点にしていたのですが、細菌兵器の開発などを目的として非人道的で残酷な人体実験を行いました。


人体実験の被験者は、捕虜やスパイ容疑などで拘束された中国人、ロシア人、アメリカ人などが中心で、約3,000人が犠牲になったとされています。

※【関東軍防疫給水部(かんとうぐんぼうえききゅうすいぶ)】とは?

もともとは第二次世界大戦中に日本軍が占領地域で実施した、防疫および給水活動を統括する組織である。主な任務は、占領地域の住民に対する飲み水の供給感染症の予防や対策医療活動の支援などであった。しかし、その一方で占領政策の一環として人体実験による細菌兵器の開発など暗い側面もある。

(初代731部隊長石井四郎)


人体実験には以下のような項目があったとされています。

<凍傷実験>

低体温による凍傷の研究。被験者に寒冷地での露出を強制し、その後の凍傷した体の切断手術などが行われました。

<銃弾実験>

銃で撃たれ人間はどれだけ耐えることができるのか、どこまでなら回復が可能なのかなどの実験。

<感染症実験>

生物兵器の開発を目的とした感染症の研究。被験者に細菌やウイルスを投与して感染の経過を観察し、その後の治療法の開発や生物兵器の効果を確かめました。これにより、被験者は極度の苦痛を受け、ほとんどの人が感染症となり死亡したとされています。

<器官の摘出実験>

被験者に対する器官の摘出実験。特に解剖学的な研究のために生体から器官を摘出してその臓器や組織の構造、機能を調査しました。

生体の切断実験

生体の一部を切断して、その後の生存率や回復能力などを調査する実験。これは戦傷などの治療法の開発が目的だったと言われます。


これらの実験は非常に残忍で倫理的に問題があるのは勿論、被験者は強制的に拘束され、人権が無視された状況下で行われました。このような実験は人道に対する重大な戦争犯罪として広く非難されています。


権力と服従の関係を観察『スタンフォード監獄実験』


スタンフォード監獄実験は1971年に社会心理学者フィリップ・ジンバルドーが主導となり、アメリカのスタンフォード大学の学生らによって行われた心理学の人体実験になります。この実験は『囚人』と『看守』の対立や暴力を理解〔刑務所環境における権力と服従の関係を理解〕することを目的としており、環境が人々の行動にどのような影響を与えるのかを調査するものでした。

身体検査を受け、健康で精神的に安定していると判断された21人の学生が被験者として選ばれ、抽選によってランダムに『囚人』または『看守』として役割を割り当てられました

スタンフォード大学の地下に本物の監獄を模した環境が作られ、囚人』役には無力感を与えるため、パトカーを用いて逮捕、指紋採取、シラミ駆除剤の散布、囚人服を着用させ番号で識別するところまでさせます。一方、『看守』役は制服やバッジ、警棒、サングラスを身に着け国家権力を象徴したような装いとなります。そして特定の規則や権限が与えられ学生の被験者は役割に従って行動しました。


実験中は被験者の行動を観察し記録することが主な目的で、特に囚人と看守の相互作用や権力関係の変化を観察しました。初日は比較的平穏に進んでいたのですが、実験から2~3日という短い期間で予想以上に急激に悪化していきます。『看守』役側が権力を行使し、『囚人』役側に対して精神的な虐待を行ったり、権威に従うことを強要するようになります。


そして、更に時間が経過するにつれエスカレートしていきます。『看守』役の学生たちは権力を乱用暴力的な行動が日に日に増し、それにより、一部の『囚人』役の学生は精神的なストレスや虐待により心理的な問題を抱えるようになっていきます。その為、とうとう本来2週間の観察予定がわずか6日で中止する事態となってしまいます。

『看守』側の学生たちは納得のいかない様子となったのですが、実験参加者の安全が脅かされていたことや極端な心理的影響が懸念されたため実験は終了となりました。

たった6日間でしたが、この実験結果で普通と思われる人間でも権力を持ち相手が従うことで、別人のようなってしまうことが分かったと同時に、環境が人間の行動に与える影響を示す一例として大きく注目されました。そして、勿論この実験は倫理的な問題が浮き彫りにされ、後に研究等においてのガイドラインが重視されるようにもなったといわれています。


※注意)近年になり、この実験の録音テープや証言などから、やらせの部分があったとの疑惑も浮上していますので、内容については参考程度にご覧ください。