【世界の面白い『雑学』②】世界一小さい独立国、アマゾンと先住民

【 世界の面白い雑学 】
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キリスト教世界最大の教会、アマゾンの先住民族

世界で最も小さな国『バチカン市国』

バチカン市国はイタリアのローマ市内に位置しています。面積わずか44ヘクタール(東京ドーム約10個分)しかなく、世界で最も小さな独立国になります。

カトリック教会(キリスト教の主要な宗派の一つ)の中心地でローマ教皇庁(カトリック教会の中央行政機関)の中心地であり、ローマ教皇(カトリック教会の最高指導者)が国家元首(国家の首長)を兼ねています。そして、教皇の居住地もここにあります。

バチカン市国の人口は非常に少なく、主に宗教関連の活動に従事する人々が住んでいます。常駐人口は数百人程度で、多くの人々はローマ市内から通勤しています。

サン・ピエトロ大聖堂

サン・ピエトロ大聖堂(↑上写真)は、キリスト教世界最大の教会であり、荘厳な建築はさることながら芸術作品が数多く存在します。建設は1506年に始まり1626年に完成という、実に約120年もの歳月をかけて建築され、建築家、彫刻家としても有名なミケランジェロ・ブオナローティ〔ダビデ像なども彫刻〕など、複数の建築家が携わりました。


大聖堂の中には、多くの芸術作品や歴史的な彫刻があるのですが、特にミケランジェロの制作した『ピエタ』〔聖母マリアがキリストの死体を抱きかかえ、その悲しみや哀れみを表現した彫刻〕、そしてミケランジェロの設計に基づいて建設されたバシリカドームは印象的なものとなっています。

スイス衛兵

もう一つバチカン市国で特徴的なことなのですが、世界で最も小さな独立国であるバチカン市国は軍隊を保有していません。護衛を担当するのはスイスの傭兵〔雇われた兵士〕からなるスイス衛兵になります。彼らの特徴的な制服や厳粛な儀式(交代式)は多くの観光客の注目を集め、とても人気があります。


『アマゾン川』の生物多様性と先住民族

アマゾン川は、南アメリカ大陸を縦断する巨大な川になり流域面積は非常に広大で、約7,050,000平方キロメートルあります。これは世界最大級の流域面積で数多くの支流を含みます。

アマゾン川およびその流域は、地球上で最も生態学的に豊かな地域の一つとされています。川の周辺には熱帯雨林が広がり、それにより多くの植物、そして動物の生息地となっています。そのためアマゾンは『地球の肺』とも呼ばれ、酸素の生産において重要な役割を果たしています。

【生物多様性(Biodiversity)】地球上で存在する生物の豊富な種類とそのつながりのことを指します。

さらにアマゾン川は生態系の宝庫でもあり、約3,000種以上の魚が生息しています。これは地球上で最も多くの魚類が存在する場所であり、未知の種も多く発見されています。

ここに生息する有名な種にはピラニアアマゾンマナティーなどがいますが、さまざまなサイズや色合いの魚などが見られ、水生生態系は非常に多様です。


アマゾン川流域の『先住民族』と植民地時代(大航海時代)

そして、アマゾン川流域には300以上(約90万人)の様々な文化や言語を持つ多くの先住民族が住んでおり、長い間この地域で狩猟や漁業、農業などにより生活を営んでいます。

現在のブラジルの地を発見したといわれる、ペドロ・アルヴァレス・カブラル植民地時代(大航海時代)の1500年にブラジルの海岸に到達したことにより、ポルトガルは現ブラジルの地の領有を主張しました。

【大航海時代(植民地時代)とは】 15世紀~17世紀初頭にかけて、ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリスなどのヨーロッパの国々が新しい航路を発見し世界中を探検した時代です。コロンブスによるアメリカ大陸の到達や、ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路の開拓などもこの時期になります。


アマゾン地域においても植民地の支配を拡大し、その豊かな生態系と特にゴムや木材などの天然資源が注目されました。このときの森林伐採や農業開発などによって、多くの先住民族の文化や言語が消滅したと言われています。

その後、アマゾンを支配していたポルトガルは他のヨーロッパ諸国との激しい植民地争奪戦となり、ブラジルが独立したのは1822年のことになります。そしてブラジルは独立国家となり、ポルトガルからの影響が残りつつも独自の歴史と文化を発展させていきます。

しかし、波乱はまだ続くことになります。ブラジルは文民政府が軍事によって転覆され、軍事政権が1964年から1985年まで支配しその間には様々な政治的な抑圧や人権侵害が行われました。

やっとのことで1988年に制定されたブラジル連邦共和国憲法により、先住民族の固有文化や土地への権利が認められ、現在では多くのアマゾン先住民は伝統と近代文化が融合したハイブリットな生活を営んでいます。〔現在でもアマゾンの奥地には外界と接触していない部族が数十民族あり、環境保護や文化保存、人権問題などが重要なテーマとなっています〕