【人体の『雑学』②】 人体の不思議な現象(1)

【人体の『雑学』】

スポンサーリンク

記憶、夢、意識

人間の記憶は不確か


間違いないと思っていた記憶だとしても、人間の記憶は非常に不確かで変化しやすいものだと言われています。情報は個人の経験や感情によって色づけられ、歪められることがあり、同じ出来事に対しても個人個人で異なる記憶を持つことがあります。また時間の経過と共に記憶が薄れ変化したり、部分的に再構築され、情報が欠落したり情報が追加されたということがあるそうです。

更に、他人や環境の影響を受けて記憶が歪められることはよくあり、集団で行われたことなどの記憶は改変されることが多く、ストレス、睡眠不足などによる心理的な要因は記憶の正確性に影響を与えると言われます。

これらの要因により、実は記憶というものは正確さや完全性に欠けることが大いにあると考えられています。


夢の謎


夢は多くの謎を含んでいます。 夢がなぜ存在し人々が夢を見るのか、その目的はまだ完全に解明されていません。一部の研究者は、夢が情報の整理学習の補完心理的なストレスや感情の処理に関連している可能性があると考えていますが、その正確な目的は不明です。そして、なぜ人々は夢を見るようになったのか、夢が生物学的な進化にどのように関与してきたのか、それもまた不明確です。

夢には非現実的な要素が含まれており、夢で将来の出来事を予知したり、未知の情報を取得したと主張している者や、夢の中で超自然的な事や霊的な体験を経験すると主張する者など、科学的に検証できないさまざまな解釈があります。

それは夢が人間の心と意識に関連した複雑な現象であることを示しているのですが、その正確な本質や機能についての理解はまだ不完全です。


意識の謎


意識の謎については科学や哲学の両分野で長年にわたって議論されています。脳は物質的な組織である神経細胞やシナプス〔情報を伝達する神経細胞間の接合部〕などから成り立っています。しかし、なぜ脳の活動が主観的な意識を生み出すのか、起源や本質については依然として謎が残っています。

脳は多数の異なる部位から成り立っているのですが意識に関しては一体性をもっています。例えば、意識は睡眠、夢、アルコールや薬物の摂取、瞑想などによって影響を受けますが、これらの意識状態が脳内のメカニズムにどのように影響を与えるのか、そして、自意識の本質やその脳内の基盤については未だに理解されていません。

意識に関する研究で有名な哲学者デイヴィッド・チャーマーズが言うには、物理的な現象や脳の機能を説明はできても、それだけでは意識の本質や体験を説明することができないとしています。例えば、脳の特定の部位が活動しているときに意識が生じるという関連付けはあるものの、それだけではなぜそのような体験が生じるのかという問題が残ります。

チャーマーズは、意識を説明するためには物理的なプロセスだけでなく経験や主観的な感覚といったものを考慮する必要があると主張し、意識を物理学や神経科学の枠組みだけではない独自の現象『心の領域』と見なしています。