北センチネル島の未接触部族とは?謎に包まれた孤島の真実

インド洋に浮かぶアンダマン諸島の一部である北センチネル島。多くの人にとって、この島は謎めいた場所となっています。
ここには、現代文明とは一切接触せずに生活を続ける『センチネル族』という部族が住んでおり、アンダマン諸島の中でも最も孤立した部族として知られています。
センチネル族の起源と歴史

〔アンダマン人…インド洋東部にあるアンダマン諸島の先住民族の総称〕
北センチネル島に住むセンチネル族は、推定50〜150人ほどいると言われています。
そして、狩猟採集生活〔石器時代のような生活〕をしており、弓や槍を使って魚を捕ったり、果実や野生の植物を採取し、島内の森の中で木や葉を使ったシンプルな住居を作って暮らしています。
センチネル族は、アンダマン諸島に何世紀も前から暮らしているとされる未接触部族のひとつですが、その起源や歴史についてはほとんど明らかになっていません。
彼らが話すセンチネル語は他のどの言語とも系統が分からず、文化や生活様式も外部に知られることはなく、研究者たちはわずかな観察から推測するしかないのが現状です。
しかし、こうした徹底した孤立と神秘性こそが、センチネル族を「最も謎に包まれた部族」として、多くの人々の興味を集めている理由でもあります。
外部からの接触を拒否
センチネル族は外部との接触を非常に嫌います。
過去には、いくつかの探検隊が北センチネル島に接触を試みましたが、ほとんどが失敗に終わりました。
詳しいことは分かりませんが、外部の病気や文化の侵入を避け、自分たちの生活を守るためだと考えられます。
2004年のスマトラ島沖地震と津波の後、インド政府が島の状況を確認しようとした際にも、センチネル族は弓矢でヘリコプターを攻撃し、外部との接触を拒否しました。

〔津波に襲われたスマトラ島〕
2018年11月にも、アメリカ人宣教師であるジョン・アレン・チャウは、北センチネル島に密かに侵入しようとしました。
漁船から泳いで上陸し、センチネル族との接触を試みましたが、弓矢によって殺害されてしまいます。
この出来事は世界中で大きな議論を呼び起こしたのですが、依然として外部との関係を拒んでいることを示すことになりました。
現在ではインド政府もセンチネル族を保護するために接触を制限しています。そして先住民族の文化や独自性を尊重する必要性を再確認する機会ともなったのです。
タンナ島の『カニバリズム』の歴史

タンナ島はバヌアツ(旧称ニューヘブリデス)に位置し、美しい海と豊かな自然が特徴の島です。しかし、この島には過去にカニバリズムと呼ばれる驚くべき習慣が存在しました。
カニバリズムとは?

カニバリズムとは、人間が人間を食べることを指していいます。これは一部の地域や文化で行われていた習慣なのですが、タンナ島でも行われていたのです。
過去、タンナ島では敵対する部族同士が争いを繰り広げていたのですが、その際、敵の戦士を捕らえて食べるという行為(カニバリズ)が行われます。
この行為には様々な意味合いがあったと考えられているのですが、復讐や恐怖を植え付けるためだけではなく、敵を打ち負かす力を得るなど、結束を強める儀式的な側面も持っていたとされています。
現代のタンナ島

19世紀までこの習慣が見られていたのですが、20世紀初頭になりキリスト教の布教や西洋文化の影響を受け、カニバリズムは徐々に減少していきました。

現代では、カニバリズムのような行為は見られなくなり、島の住民は主に農業や観光業に従事し、伝統的な文化や歴史的な要素として語られることがあるぐらいになっています。
