相場の格言とは?
投資の世界では、数字やチャート以上に「経験則」がものを言う場面が多くあります。
長年の相場の動きを観察してきた投資家たちが残した“知恵の結晶”とも言えるのが、「相場の格言」です。
現代の投資家の中には、AIやテクニカル指標のみに頼る人も多いですが、市場が人間心理で動く以上、格言に込められた“本質”は決して古びない知恵です。
今回は、初心者の方でも理解しやすく、かつ実践に活かしやすい形で、代表的な相場の格言を紹介しながら、その本当の意味と使いどころを丁寧に解説していきます!
知っておきたい相場の格言とその真意
1. 売り買いは腹八分
意味:
「利益を追いすぎず、ほどほどで利確・損切りをすべき」という戒め。
実践ポイント:
「まだ上がりそう」「まだ下がりそう」と感じるときほど危険。相場に絶対はありません。8割の利益で十分と考えることが、長く投資を続けるコツです。
2. 見切り千両
意味:
損切りは早めが命。ダメだと思ったら早く切る方が結果的に大きな得(千両の価値がある)。
背景:
迷って塩漬けにしてしまうと、資金が固定され、チャンスを逃します。勇気をもって損切りすることが、次の一手を生みます。
3. 相場は相場に聞け
意味:
自分の願望や予測よりも、「実際の値動き(チャート)」こそがすべてを語る。
投資の教訓:
ニュースやアナリストの声に惑わされず、チャートや出来高を見て市場の“声”を聞くべき、ということ。
4. 天井三日、底百日
意味:
株価は下落から底を打つまでに時間をかけるが、上昇局面では一気に価格が跳ね上がることが多い。
注目ポイント:
上昇を狙うなら“スピード”、底値を拾うなら“我慢”がカギ。急騰前の“静かな底”を見逃さないことが重要です。
【より具体的に】
底値形成には時間がかかる
→ 投資家が「もう下がらないかも」「買っていいのか?」と迷う時間帯が長い
→ 材料が出ても反応が鈍い
上昇トレンド入りはスピーディー
→ いったん買いが入ると、乗り遅れまいと資金が殺到
→ 一気に株価が数日で数十%動くことも
5. 休むも相場
意味:
無理にポジションを取るのではなく、何もしない「待ち」の時間も重要。
なぜ大切?
相場が不透明なときに焦ってエントリーして失敗するより、冷静にチャンスを待つほうがリターンは大きくなります。プロも「相場を張らない日」を意識的に作っています。
6. 相場は明日もある
意味:
今日無理して儲けようとせず、長期で勝てばいい。
心のゆとり:
連日トレードしてしまうと視野が狭くなりがち。大局観を持ち、短期の結果に一喜一憂しないマインドが勝敗を分けます。
7. 高値おぼえ、安値おぼえは損のもと
意味:
過去の高値や安値に執着しすぎると、冷静な投資判断ができなくなり、利益のチャンスや適切な売買タイミングを逃してしまう。
失敗あるある:
「あのときはもっと上がったのに…まだ売れない」
「前はもっと安かったから、今は高く感じて買えない…」
このように、過去の価格が判断基準になると、“いま”の価値や“これから”の成長を見失いがちです。
8. 噂で買って、事実で売る
意味:
好材料が出る前に仕込んで、発表後は利益確定が入る。
実例:
決算発表や新製品のニュースなど、発表直後に買うと“出尽くし売り”が来ることも。事前に仕込む勇気、発表後に売る冷静さが試されます。
9. 頭と尻尾はくれてやれ

意味:
完全な天井・底を取ろうとせず、真ん中の“おいしい部分”だけで十分。
成功するスタンス:
欲を出さず「高すぎず・安すぎず」のゾーンで売買することで、リスクを抑えながら安定した利益が狙えます。
10. 人の行く裏に道あり花の山

〔千利休の句といわれる〕
意味:
みんながやっている逆を行くことで、大きな利益を得られることがある。
ただし注意!
逆張りにはタイミングが必要。単なる逆張りではなく、冷静な分析と自信が必要です。
【最後に】相場の格言は「感情の整理術」

投資において一番の敵は「感情」です。
欲、恐怖、執着、焦り…。これらの感情をコントロールできる人が、最終的に勝ち残ります。
相場の格言は、そうした感情を整理し、冷静に投資判断を下すための“心の道しるべ”なのです。
チャート分析やテクニカル指標にプラスして、ぜひ格言の知恵を自分の投資スタイルに取り入れてみてください。
