「損切りできない…」それ、あなただけじゃありません

株価が下がり続ける中、
「もう少し待てば戻るかも…」
「損失を確定させたくない…」
と考えて、ズルズルと含み損を抱えたままになること、ありますよね。
これはいわゆる【損切りできない病】。
プロでも初心者でも、ほとんどの投資家が一度は経験する“心のブレーキ”です。
でも、この思考を放置すると、資産はジワジワ削られていきます。
今回は、そんな「損切りできない病」から抜け出すための、5つの実践的なマインドセット(思考法)をお届けします。
1. 「損切り=負け」ではない。これは“必要経費”だと考えよ
多くの人が損切りをためらう理由の一つは、
「損を確定=自分の判断ミスが証明された気がする」からです。
しかし、損切りは“失敗”ではなく“防御の技術”なのです。
プロの投資家でも、成功トレードと失敗トレードの比率は【5:5】が普通。
大事なのは、「負けるときは小さく、勝つときは大きく」することです。
≪教訓≫
損切りは“負け”じゃない。それは「次に生きるための保険」。
2. 「戻るかもしれない」に縛られない。マーケットはあなたに興味がない
「あと◯%戻れば元が取れる…」
この考え方、よくわかります。でも、マーケットにとってはあなたの希望も苦悩も無関係です。
過去の取得価格に執着せず、“今の価格で見た価値”に切り替えることが大切です。
損失にこだわって判断を先延ばしにすると、塩漬け〔含み損を抱えたまま、売るに売れず放置している状態〕銘柄ばかりが増えていきます。
≪教訓≫
市場はあなたの“買値”を知らない。見るべきは「今の価値」。
3. 事前に「損切りライン」を決めておく
感情が入ると、どうしても損切りは難しくなります。
だからこそ、“買う前”にルールを決めておくことが鉄則です。
たとえば、
- 「購入価格から10%下がったら損切り」
- 「チャートがサポートラインを割ったら売る」
といった明確なルールを先に設定しておくことで、冷静な判断がしやすくなります。
≪教訓≫
損切りラインは“買う前”に決める。それが感情から自由になる第一歩。
4. 「一時的な下落」か「構造的な悪化」かを見極める
すべての下落が“損切りすべき状況”とは限りません。
重要なのは、その企業や相場が「一時的に落ち込んでいる」だけなのか、「根本から悪化している」のかを見極めることです。
- 一時的:決算が悪かったが、来期は回復の見込みがある
- 構造的:ビジネスモデルが崩壊、競争力が低下している
この見極めができれば、「握っておくべき銘柄」と「切るべき銘柄」の区別が明確になります。
≪教訓≫
株を手放すかは、“今後の価値”に理由を見つけられるかで決める。
5. 「損切り=資金を取り戻すチャンス」と捉える
損切りで損失が確定すると、「もったいない」と感じてしまいますよね。
ですが、損切りによって“新しい投資先に資金を回すチャンス”が生まれるのです。
ずっと動かない塩漬け株にお金を眠らせておくよりも、成長性のある銘柄に資金を移した方がトータルで得になることが多いのです。
≪教訓≫
損切りとは、資金を“未来の勝ちトレード”へと解放すること。
まとめ:損切りは、痛みではなく“次の一歩”

「損切りできない病」は、誰にでも訪れる“心のクセ”です。
しかし、それはトレードの経験と共に“矯正できるもの”でもあります。
今回ご紹介した5つの思考法を取り入れることで、
きっと、あなたも「損切り=恐怖」から、「損切り=判断の強さ」へと一歩進めるはずです。
