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アニサキスとは?魚介類の寄生虫による食中毒の症状と予防法

【『生物』の雑学】

『アニサキス』




アニサキス魚介類に潜む寄生虫で、私たち人間にとっても身近な存在です。


それでは、この危険なアニサキスの生態や感染のリスク、予防方法について見ていきましょう!


アニサキスとは?




アニサキス(Anisakis)は、魚やイカなどの海産物に寄生する線虫〔土壌、淡水、海洋などに存在する糸状の生物〕の一種です。



【成虫は、海洋哺乳類〔例えば、イルカやクジラなど〕の胃に寄生していますが、その【幼虫】魚〔さば、サーモン、ニシンなど〕やイカなど魚介類の体内に見られることが多いです。



そして、私たちが生の魚介類を食べることで、アニサキスが体内に侵入し、さまざまな症状を引き起こすことがあります。



アニサキスのライフサイクル(生活環)


  1. 海洋哺乳類や魚の胃で卵を産む

    成虫は、魚や海洋哺乳類の胃で卵を産みます。これらの卵は魚の排泄物と共に水中に放出されます。



  2. 幼虫の孵化と移動

    卵から孵化した幼虫は海水中に散らばり、小型の甲殻類(オキアミなど)に取り込まれます



  3. 魚やイカへの移動

    小型の甲殻類を捕食した魚類やイカ、海洋哺乳類の体内にアニサキスの幼虫が移動し、そこで成長し成虫となります。



  4. 人間への感染

    人間が釣った生の魚介類(刺身など)を食べることで、そこに寄生していたアニサキスの幼虫が体内に侵入します。


アニサキス症の症状




アニサキスは人間の消化器官に侵入すると、さまざまな健康問題を引き起こします。これを「アニサキス症」と呼びます。



急性胃腸症状(急性胃アニサキス症・腸アニサキス症)


  • 感染後数時間〜48時間以内に発症することが多いです。

  • 強い上腹部痛吐き気・嘔吐下腹部痛などが特徴。

  • アニサキスが胃や腸の壁に侵入し、炎症を起こすことが原因です。



アレルギー反応(アニサキスアレルギー)


  • アニサキスそのものが腸壁に侵入しなくても、死骸やタンパク質に対する免疫反応で発症します。

  • 蕁麻疹(じんましん)やアナフィラキシー様症状喘息のような呼吸器症状が出る場合があります。

  • 食べた直後に症状が現れることもあります。



腸閉塞(腸アニサキス症)


特に小腸に侵入した場合に発生することがあります。

まれなケースですが、腸に侵入したアニサキスが炎症を起こし、腸閉塞や腸穿孔の原因になることがあります。



アニサキス症の予防と対策




アニサキス症を予防するためには、以下の点に注意することが必要です。


  1. 加熱処理:

    アニサキスは加熱に弱いため、60℃~70℃以上で数1分間加熱することで死滅します。


  2. 冷凍処理:

    アニサキスは-20℃以下で24時間以上冷凍することで死滅します。冷凍処理された魚介類を使用することで安全性が高まります。


  3. 目視検査:

    生の魚介類を調理する際には、目視でアニサキスの幼虫を確認し、取り除くことが大切です。アニサキスは白くて細長い糸状の形をしています。


  4. 信頼できる店から購入:

    アニサキスの感染リスクを減らすためには、信頼できるお店から魚介類を購入することも必要です。



アニサキス症、最初の報告は1960年代のオランダ



アニサキス症が最初に報告されたのは1960年代のオランダ〔日本国内では1965年〕でした。



以来、世界中で報告が増え、特に魚介類を生で食べる文化のある地域で注目されてきました。

現在では、内視鏡を用いた迅速な診断と治療が可能となり、アニサキスが胃腸内に寄生している場合、直接取り除くことができるようになってきているそうです。





しかし、出来ることならば未然に感染を防ぎたいものですね…




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