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ヴェネツィアの歴史を紐解く。水の都が築かれた理由とは?

【 世界の面白い雑学 】

「水の都」ヴェネツィアの歴史

ヴェネツィアの建設:水の上の奇跡



ヴェネツィアは、『水の都』とも呼ばれ、運河が縦横無尽に走る独特の都市です。


そんなヴェネツィアがどのようにして発展したのか、今回はその秘密を探っていこうと思います。

水の上に建てられた都市


ヴェネツィアは、アドリア海に浮かぶ118の小さな島々から成り立っています。ここに最初に人々が住み始めたのは5世紀頃のことです。



当時、北方からの侵略を逃れるためにこの湿地帯に避難する人々が増えました。しかし、湿地帯では普通の方法で家を建てることができません。そこで、ヴェネツィアの人々はある工夫をしました。


ヴェネツィアの起源

〔ピンク色がヴェネツィア共和国〕


ヴェネツィアの起源は約1,500年以上前の5世紀に遡りますイタリア本土が異民族の侵攻を受けた際に、多くの人々がアドリア海のラグーナ〔浅瀬の水域〕に避難したことから始まります。ここで小さなコミュニティが形成され、やがて独自の都市国家へと発展しました。



中世になると、ヴェネツィアは東西貿易の中心地として繁栄し、強力な海上帝国となりました。都市は商人たちによって支配され、独自の政治体制「ヴェネツィア共和国」が成立します。


しかし、この共和国は1000年以上続きましたが、1797年にナポレオンによって征服され、オーストリアの支配下に入り、最終的にイタリア王国(1866年)に編入されることとなったのです。


木の杭で土地を固める




ヴェネツィアの建設に使われたのは「木の杭(くい)」です。湿地帯の柔らかい土壌にしっかりとした基盤を作るために、無数の木の杭を打ち込みました



この木の杭は、水中では腐りにくく時間が経つと石のように硬くなります。この上に建物を建てることで安定した土台を作りました。


そして、建物の基礎には「石の基盤」を使い、その上にレンガや大理石で建物を建てました。これにより、地盤沈下や水害に耐えられる強固な構造ができました。


木の杭は水の中でなぜ腐らない…?


海水中の酸素レベルは比較的低く、腐敗を促進する微生物の成長を抑えることができるそうです。

そして、海には木を食べつくすシロアリのような害虫が存在しないというのも腐らない大きい理由とされています。

運河と橋のネットワーク




ヴェネツィアの特徴といえば、やはり運河ですが、街中に大小合わせて150以上の運河があり、それが道路の代わりになっています。この運河を利用することで、物資の運搬や移動が効率的に行うことを可能としています。



そして、運河を横断するための橋が400以上あるのですが、これが街の美しい景観を作り出しています。

運河は手作業で掘っていた…⁉


ヴェネツィアの運河は、もともとラグーン〔砂州などに囲まれた浅い海〕に点在する小島の間を流れる自然の水路をもとに、人々が整備・拡張してつくられました。初期には住民たちが手作業で水路の底をさらえたり、通行しやすいように岸辺を補強したりしてきました。


やがて都市全体の交通や物流を円滑にするために、水路を中心とした都市計画が行われ、複雑で機能的な運河ネットワークが形成されたのです。

現代に息づく歴史




ヴェネツィアは、今もその唯一無二の魅力を放ち続けており、世界中の観光客を惹きつけています。中でも、ゴンドラに乗って運河を巡る体験は、この街ならではの人気アクティビティのひとつです。


街を歩けば、何世紀にもわたる歴史が息づく建物や街並みが目に入り、その奥深さを感じ取ることができます。

この美しい水の都は、人々の知恵と粘り強い努力によって築かれたものです。ヴェネツィアがどのようにして生まれ、今なおその美しさを保っているのか――その秘密に触れることで、きっとヴェネツィアへの興味と愛着がより一層深まるはずです。



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