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皮膚の常在菌とは?数千億の微生物が肌に与える影響

【人体の『雑学』】

皮膚の常在菌って何?


今回は、私たちの皮膚に棲む微生物たちが果たす重要な役割について解説します。


これらの微生物は、実は私たちの健康を守るために日々働いてくれているのです。


それでは、その驚きの働きについて詳しく見ていきましょう!


皮膚の微生物の数は、数千億以上…⁉




驚くべき事実なのですが、私たちの皮膚表面や毛穴にはおおよそ数千億~1兆個もの微生物が住んでいると言われています。



これらの微生物は、細菌、真菌(カビの一種)、ウイルス、さらには小さなダニなど、多種多様で1000種類以上の異なる細菌や真菌が存在しています。


実は、私たちの体の表面にはこれらの微生物が作る「微生物コミュニティ」が広がっているのです。


『常在菌』と『一過性菌』の違い


皮膚には「常在菌」と呼ばれる恒常的に存在する微生物と、「一過性菌」と呼ばれる一時的に生息する微生物があります。その違いを比較して見ましょう!

  • 定着性
    • 『常在菌』: 長期間にわたり体に定着している。
    • 『一過性菌』: 短期間のみ存在する。

  • 健康への影響
    • 『常在菌』: 健康維持に役立っている。
    • 『一過性菌』: 感染症のリスクがある。

  • 除去できる?
    • 『常在菌』:毛穴の奥など微小な隙間にも存在するため、通常の手洗いや消毒では完全に除去されない
    • 『一過性菌』: 手洗いや消毒で簡単に除去可能


「常在菌(じょうざいきん)」を詳しく!



常在菌とは、人間の皮膚や体内に常に存在し、通常は宿主(しゅくしゅ)〔寄生される側の生物(人など)〕に害を与えない微生物を指します。


そして、これらの菌は私たちの健康を維持するために大きな役割をしています。※一部病原菌もいます。


<特徴>

  • 常に体の特定の部位に存在する。
  • 病原菌の侵入を防ぎ免疫系の働きをサポートする。
  • 宿主の体環境に適応でき、特定の環境条件に強い耐性を持っている。

<役割>

  • 皮膚や粘膜においてバリアを形成し、病原菌の侵入を防ぎます。
  • 一部の常在菌はビタミンや栄養素を合成し、宿主に供給します。
  • 免疫系を刺激し、適切な免疫反応を維持する役割をします。



皮膚の『常在菌』の例

ブドウ球菌属

〔黄色ブドウ球菌〕

  • 表皮ブドウ球菌:
    最も一般的な皮膚常在菌で、皮膚のバリアを強化し、病原菌の侵入を防ぎます。病原性はほとんどありません。



  • 黄色ブドウ球菌【病原菌】:
    皮膚の表面や毛穴周辺、皮脂の分泌が多い部分に多く見られます。増殖しすぎたり、皮膚の傷口などから侵入すると感染症を引き起こす可能性があります。そして、食中毒の原因にもなっています。



ブドウ球菌は球形の細菌で、集団として成長すると多くの細菌が集合して球状の塊を形成します。この集合体がまるでぶどうの房のように見えることから「ブドウ球菌」と名付けられました


プロピオニバクテリウム属


  • アクネ菌:
    毛穴や皮脂腺に生息している菌で、ニキビの発生に関与することが知られています。一方で、皮膚のpH〔酸性度〕バランスを維持する役割も持っています。



マラセチア菌(マラセチア・フルフル)


  • 皮膚の脂肪酸(油脂)を分解して生息し、皮膚のpHバランスを保つ役割があります。頭皮に存在することが多く、過剰に増えるとフケや脂漏性皮膚炎〔皮脂の過剰な分泌による炎症〕の原因となります。




これらの常在菌は、互いにバランスを保ちながら皮膚の健康を維持していますが、そのバランスが崩れていまうと皮膚トラブルの原因になることもあります。




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