面白い生態をもった魚たち
販売が禁止にもなっている『バラムツ』
『バラムツ』とは、深海に住む大型の魚で、スズキ目サバ亜目クロタチカマス科に属しています。
全身が脂肪の塊のため、白マグロとも呼ばれているのですが、その油は人間には消化できない『ワックスエステル』〔ロウの化学表記〕という成分になります。
そのため、日本では食品衛生法により販売禁止に指定されている食品の一つになり、バラムツを食べると、下痢や腹痛、消化不良などの症状を引き起こす可能性もあります。
そして、もしも大量に食べてしまった場合、消化できない脂肪分がそのままお尻から出てしまう為、数日はおむつ生活になってしまうと言われています。
バラムツは、流通を禁止している魚なので、食べるには自分で釣るか、釣った人に分けてもらうしかなのですが、食べる場合は細心の注意が必要です。
食べた人曰く、刺身で食べると危険なので鍋や煮物などにして余分な油を落とす食べ方がおすすめのようです。バラムツの旬は、寒い時期の12月から2月くらいになります。
『ピラニア』が凶暴なのは映画のなかだけ…
『ピラニア』は、南米の淡水域に生息する肉食性の淡水魚で、その名前は獰猛なイメージとして知られています。
しかし実際にはとても臆病で、ピラニアが人間を襲う事例は非常に稀となり、特定の状況や条件が重なった場合に限り襲ってくることがあります。
主にアマゾン川流域(現地ポルトガル語だとアマゾナス川)を中心に、沼や河川などで見られるのですが、非常に社会性が強く、生存戦略の一つとして群れを作って生活します。
このように群れで行動することによって、自分達より大きな獲物にも襲いかかることができ、ピラニアのような小型の魚類でも生き残ることができています。
先ほどもお話したとおり、一般的にピラニアは肉食性で、魚、昆虫、小動物など自分より小さい獲物を捕食することが多いのですが、やはり大きな特徴はその鋭い歯です。
ピラニアの歯は三角形で非常に鋭く、獲物を嚙んだ時に肉を削り取る構造となっています。
そして、たとえ獲物が大きかった場合でも一度に何匹ものピラニアが集まり獲物を襲うことで、驚くべきスピードで獲物を食べ尽くしてしまいます。
人間に襲い掛かるのはどんなとき…?
このようなピラニアが人間に攻撃的になるときは、よっぽど群れが餌に飢えている場合や、体に傷があり出血している場合にその臭いでよってくる可能性があるようです。
【干ばつで餌がないとき】
特に干ばつなどで餌が不足しているとき、群れが集まってしまい餌を求めて攻撃的になることが報告されています。
【血が出ている魚が近くにいたとき】
傷を付けて出血している魚が水中にいると、その臭いにピラニアが引き寄せられることがあります。もちろん人間が出血している場合も同じです。
このような状況で人が水中に入ると、人間に対しても興奮してピラニアが襲ってくる可能性があります。
【水で暴れたりして音を立てたとき】
水で暴れたりして、バシャバシャ音を立てると、ピラニアが興奮する可能性があります。
【繁殖期】
繁殖期になると、巣を守るために攻撃的になることがあります。
しかし、ピラニアは凶暴どころか、アマゾン地域では一般的に食用とされ、地元の人々にとって重要な食材の一つとなっています。
アマゾン川に多く生息していることもあり、地元の漁師や住民たちにとって重要なタンパク源なのです。
さまざまな方法で調理され、焼いたり揚げたり、スープやシチューの具材として使われたりもします。
一部の地域では、ピラニアの刺し身も食べられるようです。地域によって味付けなどは異なりますが、現地の文化や伝統に根ざした料理として楽しまれています。
アマゾンの先住民族や地元の住民たちは、ピラニアを捕まえて自給自足の生活を営む一方で、観光地としてピラニア釣りの体験ツアーを行ったりもしています。
ピラニアは、地元の人々にとっては重要な生活の一部であり、観光業にも一環して取り入れられているようです。