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​​「死の手」ソ連が開発した自動報復システムの仕組みとその真実

【 世界の『戦争』雑学 】

冷戦時代の最終兵器「死の手」




冷戦時代、旧ソビエト連邦はアメリカと激しい核兵器競争を繰り広げていました



その中で生まれた「死の手(デッドハンド)」は、最終的な核報復システムとして知られています。



このシステムの目的は、ソ連が壊滅的な核攻撃を受けた場合に自動的に核報復を行うことでした。


冷戦とは?


冷戦(れいせん)とは、第二次世界大戦後にアメリカ合衆国とソビエト連邦(現在のロシア)を中心とする東西陣営の間で起こった政治、経済、軍事的な緊張状態のことです。


この対立は直接的な戦争ではなく、代理戦争スパイ活動核兵器の開発競争、そして宇宙開発競争などを通じて行われました。


冷戦は1947年頃から始まり、1991年のソビエト連邦の崩壊によって終結します。


「死の手」とは?




「死の手」は、正式には「ペリメトル」と呼ばれています。



このシステムは、核攻撃を受けて指導部が指揮不能になった場合でも、自動的に報復攻撃を行うことができるよう設計されていました。



それは、核攻撃の兆候を検出するセンサーと、指導部(指導者)の生存確認システムが組み合わさっていたとされています。


どうやって動作するのか?


  1. センサーによる検知

    地震計や放射線検出器などのセンサーが、核攻撃の兆候〔爆発や放射線の急上昇など〕を感知します。



  2. 指導部の確認

    センサーが異常を検知すると、指導部との通信が試みられます。もし指導部が応答しない場合、次のステップに進みます



  3. 自動発射

    指導部の応答が得られない場合事前に設定された核ミサイルが自動的に発射され、報復攻撃を行います

このシステムの危険な点は、人間の指示を待たずに自動的に作動することです。



そのため、指揮官や政府が全滅しても、ソ連は報復攻撃を行うことができるのです。



なぜ「死の手」が必要だったのか?




冷戦時代、核兵器の使用は「相互確証破壊(そうごかくしょうはかい)」という考えに基づいていました。



それは、どちらかの国が先に核攻撃を行えば、相手国も報復攻撃を行い、両国ともに壊滅するというものです。この考え方により、核攻撃を抑制しようとしたのです。

しかし、ソ連は指導者が攻撃で即座に死亡してしまうリスクを考慮し、「死の手」という自動報復システムを開発しました。



これにより、どんな状況でも報復が確実に行われるというメッセージを送り、敵対国の攻撃を抑止しようとしたのです。


最後に



「死の手」は、実戦で使用されたことは一度もありません。



しかし、その存在は冷戦時代の核戦略において、強力な抑止力として大きな影響を与えました。



長らくベールに包まれていたこのシステムの詳細は、冷戦終結後になってようやく一部が明らかになっています。

ソ連崩壊後も、ロシアは依然として核兵器の管理と運用を継続していますが、「死の手」の現在の状況については、いまだにほとんど情報が公開されていません。


そのため、一部の軍事専門家や安全保障の研究者たちは、改良された形で現在も存在している可能性があると見ており、今なお謎に包まれた“最終兵器”として注目されています。



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