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サナダムシ感染のサインとは?便に白いひも状のものが出たら要注意!

【『生物』の雑学】

10mの寄生虫『サナダムシ』の不思議な生態


サナダムシとは?




サナダムシ(学名:Cestoda)〔条虫(じょうちゅう)〕は、平たいリボン状の体を持つ寄生虫なのですが、見た目が真田紐(さなだひも)に似ていることからそう呼ばれています。



これらの寄生虫は、人間や動物の腸に寄生して生活します。サナダムシの体は、頭部、と多くの片節(体節)から成り、これが連なって長いリボン状の体を形成しています。




片節一つ一つには成虫が卵を産むための生殖器が含まれており、時間が経つにつれて片節は成長し、最終的には最終的に分離して、宿主(しゅくしゅ)〔寄生生物が生活するために依存する生物〕の体外に排出されます。


10mを超えるようなサナダムシの場合この片節の数が1,000以上にもなるそうです。



サナダムシのライフサイクル(生活環)

〔吸盤とフック〕


① 卵が外に出る

成長したサナダムシは、体の一部(片節)に卵を含ませ、これが宿主(人間や動物など)の便と一緒に体外に出されます。片節に含まれた卵は、水や土などの自然環境にばらまかれます


② 中間宿主への感染

卵が混ざった水や食べ物を、牛・豚・魚などの中間宿主が口にすると、体内で卵がかえって幼虫になります

幼虫は腸の壁を通り抜け、血液に乗って筋肉や臓器へ移動。そこで「嚢虫(のうちゅう)」という状態になり、筋肉内でじっとしています

〔嚢虫(のうちゅう)〕


③ 終宿主への感染

この感染した肉が十分に加熱されずに人間や他の動物に食べられると、体内で嚢虫が腸に到達して成虫へと成長します。


成虫は腸の壁に吸い付き、栄養を吸収しながらどんどん大きくなります



④ 成虫の繁殖と再び卵を出す

サナダムシの成虫は、体の後ろの方から卵を含む片節を切り離していきます。この片節は便とともに外に出て、また新たな感染サイクルが始まります。



サナダムシが引き起こす健康問題〔条虫症〕



サナダムシに感染すると、さまざまな健康問題が引き起こされることがあります。一般的な症状〔条虫症〕には、腹痛下痢体重減少、そして栄養吸収の妨げなどがあります。


稀に、サナダムシの成長が過剰になると、腸閉塞(ちょうへいそく)〔腸管が物理的に詰まることで食物や液体の通過が阻害される状態〕を引き起こすこともあります。




また、一部のサナダムシは、特定の段階で宿主の体内を移動するため、脳や目などの他の器官にも影響を及ぼすことがあるようです。



感染を防ぐ方法と治療について




サナダムシの感染を防ぐためには、日常生活の中でいくつかのポイントに注意する必要があります。


■ 食事の注意点

生肉や加熱が不十分な魚を食べるのは避けましょう。サナダムシの幼虫を死滅させるためには、しっかりと火を通すことが大切です


■ 衛生面の対策

食事の前や料理をする前には、手を丁寧に洗いましょう。また、包丁やまな板などの調理器具も清潔に保つことが重要です。



■ 治療について

万が一サナダムシに感染した場合は、医師の診断のもとで駆虫薬(サナダムシを体外に出す薬)を使って治療します。



まとめ:サナダムシの驚くべき生態




■ 巨大すぎる寄生虫

サナダムシの中には、成長すると全長10メートル以上に達するものも存在。これは路線バス1台分に相当する驚きの大きさ!

■ 再生する体

サナダムシは体の一部が失われても、そこから再び体節をつくり出すことができる。この再生能力は、生物学の分野でも非常に興味深い研究対象となっている。

■ 宿主の「脳」を操る!?

サナダムシは、寄生した動物の神経系や行動に影響を与えることで、自らの生存や繁殖に有利な環境をつくると考えられている。

例えば、宿主の行動パターンを変えることで、自分がより感染しやすくなる環境を整えるといった例も…


このように、サナダムシは驚異的な特徴を持つ一方で、人間にも感染するリスクのある危険な寄生虫です。しっかりとした予防と正しい知識を持つことが、感染を防ぐ第一歩になります。




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