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【人体の雑学⑥】暗闇で目を閉じても光が見える現象「眼閃」とは?

【人体の『雑学』】

目を閉じているのに目の中が光るのはなぜ?


目を閉じて完全な暗闇の中にいても、目の前にチカチカとした光や模様が浮かび上がる経験をしたことはありませんか?


この不思議な現象は「眼閃(がんせん)〔phosphene〕」と呼ばれ、視覚的な刺激がなくても光を感じる状態を指します。



光が目に入っていないのに、なぜこのようなことが起こるのでしょうか…?

眼閃(がんせん)とは?




眼閃は、主に視神経や脳の視覚を司る部分に何らかの刺激が加わることで引き起こされます。



通常、私たちが目で物を見ているときは、光が網膜を通して視神経に伝わり、脳で処理されて「見える」という感覚を作り出しています。



しかし、眼閃の場合、実際の光がないにもかかわらず、視神経が外部からの刺激に似た信号を脳に送ってしまうため、光を見ているように感じるのです。



眼閃の原因



具体的な原因としては次のようなものが挙げられます。

  • 目の圧力

    目をこすったり、強く押したりすると、網膜が物理的な刺激を受け、それが光として脳に伝わります。

  • 目の血流の変化

    血液の循環が変わることで、網膜や視神経に微弱な電気的な活動が生じ、それが光として認識されることがあります。

  • 脳の活動

    特に視覚を処理する脳の領域が、眠っている時やリラックスしている時など、外部からの刺激がない状態でも活発に働いていることがあり、その結果として光を感じることがあります。



眼閃を感じやすい状況



眼閃は、特定の状況で感じやすくなります。


例えば、

  • 目を閉じて暗闇にいる時

    光の刺激が全くないため、脳が微細な神経活動を光として解釈しやすくなります。


  • 目を強くこすった時

    物理的な圧力が視覚神経に影響を与え、光のようなものが見えることがあります。


  • リラックスしている時や眠りに入る前

    脳の活動が穏やかになる反面、視覚的なイメージが浮かびやすくなり、眼閃が現れやすくなります。


  • 偏頭痛の前兆

    一部の人は、偏頭痛が始まる前に視覚的な光の点や線、ちらつきを感じることがあります〔閃輝暗点(せんきあんてん)〕。これも眼閃の一種と考えられています。




眼閃の形状の特徴



眼閃が現れるとき、その形や色、大きさは様々です。

  • 色と形状

    白や黄色の光点、または淡い青や赤のような色彩で現れることがあります。

    また、形状も、チラチラと瞬く点のようなものから、波打つような模様や渦巻き、さらには幾何学的な形になることもあります。


  • 動き

    静止していることもあれば、ゆっくりと動いて見えることもあります。

    さらに、時間とともに消えていくかと思えば、しばらくの間、目の前に残る場合もあります。



眼閃は危険ではないの?




多くの場合、眼閃は自然で無害です。


目や脳の健康に特に問題があるわけではなく、誰にでも起こり得る現象となります。



しかし、頻繁に強い光を感じる場合や、視界に常に異常な光が見える場合などは、目〔網膜剥離など〕や脳の健康に関する問題の兆候である可能性もあります。


そのような場合は、医師に相談することが重要です。


最後に



眼閃は、目や脳が物理的な光の刺激なしに光を感じる、不思議で興味深い現象です。



完全な暗闇で目を閉じている時や、目をこすった後に感じる光の点やちらつきは、私たちの体に備わった複雑で微妙な神経活動の結果といえます。



日常的に体験できるこの現象を知ることで、私たちの身体の仕組みについて一層理解が深まることでしょう。



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