寝入りばなの「ビクッ」には名前がある

眠りにつくその瞬間、体がピクッ…「え、今何!?」
布団に入って、気持ちよくウトウト……。
その瞬間、「ビクッ」と体が勝手に動いて目が覚めた!
そんな経験、一度はありますよね?
実はこの現象、医学的にもちゃんと名前があるんです。
この現象の名前は「ジャーキング(入眠時ミオクローヌス)」

正式名称は「入眠時ミオクローヌス」、または「入眠時ジャーキング」。
「ミオクローヌス」とは、筋肉が一瞬ピクッと収縮する現象のことを指します。
これはまったく異常ではなく、誰にでも起こりうる自然な反応です。
しかし、その仕組みはちょっと不思議。いったいなぜ体は眠りかけたときに動くのでしょうか?
なぜ起こるの?⇒ 原因は「脳と体のズレ」

脳が「落下してる!?」と勘違いする…

眠り始めのとき、脳はまだ完全に「眠る準備」ができていません。
ところが、体の方はリラックスして、徐々に筋肉の緊張がゆるんできます。
このとき、脳は「体が倒れそう」「落下している!」と誤認識し、「危ない!」とばかりに筋肉を収縮させて身を守ろうとする反応が起こります。
それが、あの「ビクッ」とする動きなのです。
こんなときに起こりやすい!

以下のような条件が重なると、入眠時ジャーキングは起こりやすくなると言われています。
- 過労やストレスがたまっているとき
- カフェインやアルコールを摂った後
- 不規則な生活や睡眠リズムの乱れ
- 不安や緊張が強いとき
これらはすべて、脳の覚醒レベルが不安定になる原因でもあり、入眠時の「誤作動」が起こりやすくなります。
どうすれば防げるの?対策はある?
完全に防ぐことは難しいものの、頻度を減らす工夫は可能のようです。
🌙 対策リスト

- 就寝1〜2時間前にはスマホやPCを控える
- カフェインは夕方以降控える
- 軽いストレッチや深呼吸で副交感神経を活性化
- 入浴やアロマでリラックスした環境を作る
- 規則正しい生活リズムを意識する
とくに「体が落下している」と感じるのは、不安定な姿勢や急な脱力が原因になることも。
抱き枕や毛布を使って“包まれている”安心感を作るのもおすすめです。
実は「成長期の子ども」や「赤ちゃん」にも多い!

赤ちゃんや小さな子どもが寝入りばなにピクピク動くのを見たことがありますか?
これは、神経系がまだ完全に発達していない赤ちゃんや小さな子どもにとってはごく自然な反応で、大人も子どもも「入眠時ジャーキング」は正常な現象なのです。
そのため、通常であれば心配する必要はありません。
「ジャーキング」と「モロー反射」の違い

ちなみに、「ジャーキング」と似ているもので、新生児特有の「モロー反射」という生理的な反応があるのですが、違いは次のようになります。
ジャーキング
- 眠りに入るときにビクッと体が動く現象
- 誰にでも起こる
- 一過性の筋肉のけいれん
- 原因:脳や神経の自然な反応
モロー反射(モロ反射)
- 新生児特有の原始反射(生後4〜6か月で消える)
- 大きな音や急な動きに反応して、手足をバッと広げてから抱きつくように動かす
- 原因:脳の未発達による自然な防御反応
項目 | ジャーキング | モロー反射 |
---|---|---|
対象 | 大人も子どもも | 新生児のみ |
起こるとき | 寝入りばな | 驚いたとき |
動きの特徴 | ピクッと一瞬動く | 手足を広げてから抱きつくように動く |
生理的意義 | 睡眠への移行時の現象 | 原始的な防御反応 |
まとめ:ピクッとするのは、脳からの「守る信号」

最後に、ポイントをおさらいしましょう!
入眠時ジャーキングとは?
→ 眠りに入る瞬間、筋肉が急に動く現象。異常ではない。
原因は?
→ 脳と体の睡眠タイミングのズレやストレス・疲労。
対策は?
→ リラックスした夜の過ごし方、規則正しい生活習慣。
眠りは心と体のメンテナンス時間。
だからこそ、少しの「ビクッ」も大切なサインとして受け止めて、無理のない毎日を心がけてみてくださいね!
