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【嘘みたいな本当の話の『雑学』⑤】死者が流れるガンジス川

【 嘘みたいな本当の話 】

ヒンドゥー教の聖地


ガンジス川はインドの生命線と呼ばれ、インド北部を流れる全長2,500キロメートル以上の大河はヒンドゥー教徒にとって神聖な川とされています。


しかし、このガンジス川には知られざる事実が存在します。

神聖と不浄の狭間


ガンジス川はヒンドゥー教徒にとって神聖な場所です。


人々はここで沐浴することで罪を洗い流すと信じています。しかし、この川の水質は驚くほど汚染されています。


産業廃棄物や下水が直接川に流れ込むため、細菌や有害物質の濃度が非常に高くなっているのです。


それでも、信者たちは毎日ガンジス川で身を清め、飲み水としても使用しています。

死者が流れる川

〔バラナシの火葬場〕


ガンジス川は、ヒンドゥー教の教えに従って、死者の遺灰を流すための場所とされています。


バラナシにある火葬場などの聖地では毎日多くの遺体が火葬され、その遺灰が川に流されます。しかし、全ての遺体が完全に火葬されるわけではありません。



経済的な理由や火葬に必要な木材の不足から、未火葬の遺体がそのまま川に投げ込まれることもあります。

その他にも、宗教的な理由から子供、妊婦、聖職者などの多くの遺体は火葬せずそのまま川に流されます。


それにより、川には時折死体が浮かんでいることがあるのです。

川の中でゆっくりと朽ち果てていく遺体は、水質のさらなる悪化の原因ともなっています。


ヒンドゥー教にはお墓がない


ヒンドゥー教では、一般的に墓地は存在しません。

代わりに、亡くなった人の遺体の多くは火葬され遺灰は川に流されます。特にガンジス川(ガンガー)は聖なる川とされており、遺灰を流すことで魂が浄化されると信じられています。

子供、妊婦、聖職者の遺体はなぜそのまま川に流されるのか?


インドの伝統や宗教的な習慣によって、子供、妊婦、聖職者などの遺体がそのまま川に流されることがあります。これにはいくつかの理由があります。

ガンジス川はヒンドゥー教徒にとって聖なる川であるため、ガンジス川で遺灰を流すことは死者の魂を浄化し、来世での安らぎをもたらすと信じられています。


しかし子供、妊婦、聖職者の遺体は、「純粋(穢れのない人)」と見なされているため、再生のために特別な取り扱いがされているのです。


子供と妊婦

子供や妊婦の遺体は、「未熟」または「罪が少ない」とされるため、特に火葬して浄化する必要がなく水葬することがよいと考えられています。

そして子供や妊婦の場合は、すぐに次の生へと移行するため、川がその過程を助けると考えられています。


聖職者

聖職者や宗教的な指導者の遺体は、その人たちが生前に特別な精神的または宗教的な役割を果たしたと考えられています。

そのため、聖職者の遺体が川に流されることで、魂がより高い状態に達し、神聖さが保たれると信じられています。

最後に



ヒンドゥー教徒にとってガンジス川は浄化の象徴ですが、その現実は厳しいものです。


多くの人々がこの川で祈り願いを込めている一方で、長年にわたり、工業廃水、農薬、下水、そして人間や動物の遺体などが流れ込むことにより、深刻な汚染に悩まされています。


この汚染は、地域の生態系に深刻なダメージを与えるだけでなく、川を利用する人々の健康にも重大な影響を及ぼしています。

政府やNGOによって浄化プロジェクトも進められていますが、依然として問題の根本的な解決には至っていません。


そのため持続可能な環境保護と信仰とのバランスを見つけることが必要となっています。