日本で唯一の“飛び地村” 北山村

実は、日本にはたった一つだけ、本体から地続きでない村があります。
それが――
和歌山県・北山村(きたやまむら)。
不思議な地形と歴史、さらに唯一無二の存在感で、近年じわじわと注目を集めています。
今回は、そんな「飛び地村」の秘密をわかりやすく、ちょっとだけ深掘りして紹介します!
「飛び地」とは?

〔和歌山県〕
まず前提として、飛び地(とびち)とは、ある自治体の一部が、本体部分と地続きでなく、別の場所に孤立して存在するエリアのこと。
例えば、
和歌山県に属していながら、和歌山県本体と接していない土地。

これが、まさに北山村です。
地図を見れば一目瞭然! 北山村の驚きの位置関係
地図を見ても分かるように、和歌山県に属しながら、実際には三重県と奈良県の山あいに位置する北山村。
全国でもここだけという、ちょっと不思議な行政区分を持つ村なのです。
なぜ北山村は「飛び地」になったのか?

北山村は、面積約48㎢〔人口:およそ350人(2025年時点)〕の小さな村。この不思議な地理のナゾを解くヒントは、江戸時代から続く歴史的なつながりにあります。
当時、今の北山村は紀州藩(和歌山藩)の新宮領に含まれていました。
新宮には新宮城を中心とした城下町があり、北山村の人たちは、山を越えるよりも川を使って新宮へ通うルートを選んでいました〔※筏(いかだ)流しで木材を運ぶなど、川を利用した暮らしが一般的でした〕。そのため、地理的には離れていても、生活圏は自然と新宮と深くつながっていたのです。

〔新宮城跡〕
つまり、経済・暮らしのつながりは、新宮=和歌山側だったのです。
そして明治時代、全国で県の境界が整理された際、北山村の人々は「これまで通り和歌山の一部として暮らしたい」と希望。1956年の市町村合併でもその意志が尊重され、結果として和歌山県の“飛び地”という珍しい形で存続することになったのです。
現在も北山村へ行くには、奈良県か三重県を経由するしかなく、高速道路や鉄道も通っていません。それでも、歴史と絆に支えられた “和歌山の村”として、人々が暮らし続けています。
北山村は見どころがたくさん!

〔奥瀞(おくとろ)〕
「飛び地だから行きにくい?」
確かに、アクセスはやや複雑ですが、それこそが秘境の魅力。
観光ポイント!

- 筏下り(いかだくだり):
スリル満点!北山川を下るエキサイティングな体験! - じゃばらの里:
花粉症に効くと話題の柑橘「じゃばら」はここが原産地。 - 圧倒的な自然美:
手つかずの渓谷、森、空気――まさに別世界。
“都会の喧騒を離れたい” そう思ったあなたにはこれ以上ない癒しの地です。

【まとめ】“日本唯一の飛び地村”は奇跡の存在

北山村は、地図のトリビアで終わらせるにはもったいない村です。歴史・自然・人のつながりが作り上げた、リアルな「奇跡」。
- 和歌山県なのに和歌山県と接していない。
- 村全体が三重・奈良に包まれている。
- それでも「和歌山の誇り」として生き続ける。
あなたも、この奇跡を自分の目で確かめてみませんか?

