「サボる」って何?

今回は日本語の中でもよく使われる言葉、「サボる」の語源についてじっくりと探ってみたいと思います。
日常会話やビジネスシーンでも頻繁に登場する「サボる」。
例えば、こんな場面で使いますよね。
- 学校をサボる
- 仕事をサボる
- 掃除をサボる
「怠ける」「さぼる=さぼってやらない」って意味で使われることが多い言葉です。
驚き!「サボる」はフランス語がルーツだった!
実は、「サボる」の語源はフランス語の動詞 sabotage(サボタージュ) に由来すると言われます。
sabotage(サボタージュ)とは?
「意図的に機械を壊したり、作業の進行を妨げる行為」を指す言葉。
もともとは軍事や政治の分野において、敵対勢力の設備や機能を損なわせることを目的とした破壊活動(=妨害や施設の破壊を行う行為)を意味していました。
どうして「サボる」=「怠ける」になったの?
フランス語の 「sabot(サボ)」は木靴を意味します。

一説によれば、昔のフランスでは労働者や農民が機械化に反発して、自分の木靴を使って機械をわざと壊す行為があったと伝えられています。
そして19世紀に入ると、労働者が機械の動作を止める「破壊工作(サボタージュ)」を行うこともありました。
このような行動から、「サボタージュ」はやがて「わざと仕事を怠ける・さぼる」といった意味でも使われるようになり、この言葉が日本に伝わる中で、「サボタージュ」→「サボる」というかたちに短縮されて日常語として定着したとされています。
「サボる」は日本だけ? 世界の「怠ける」表現

面白いことに、「怠ける」という表現は、言語や文化によってさまざまに異なります。
- 英語:
slack off(手を抜く)、skip work(仕事を休む) - フランス語:
faire du sabotage(破壊行為・妨害) - ドイツ語:
blau machen(「青を作る」=仕事や学校をズル休みする)
昔の染物職人たちは、青い染料(インディゴ)で布を染めたあと、色を定着させるために布を一日干しておく必要がありました。そのため、作業の合間に自然と“何もしない日”が生まれたのです。 - スペイン語:
hacer novillos(学校をサボる)(主に若者の「無断欠席」)
若い闘牛(novillo)が「訓練中の存在=まだ本気じゃない」⇒「本気の場から逃げる」=「ズル休みする」へと意味が転じたのではと考えられています。 - イタリア語:
bighellonare(ぶらぶらする)、fare il fanullone(怠け者になる)
※fannullone=「何もしない人」という意味の名詞。 - 中国語:
偷懶(tōulǎn/サボる、怠ける)
「偷」=こっそり、「懒」=怠ける → サボる、ズルをするという意味。
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【まとめ】誰かに話したくなる「サボる」の秘密

- フランス語の「sabotage(サボタージュ)」は、もともと破壊活動を意味する言葉。
- 当時の労働者が、木靴(サボ)で機械を壊して抗議したという説が由来とされている。(※ただし諸説あり)
- 19世紀のヨーロッパで「仕事をわざとしない」という意味に変化。
- 日本に入り、「怠ける」「手を抜く」という意味の日本語、「サボる」として定着する。
このように「サボる」は、世界の中でも珍しい “外来語由来” のユニークな言葉だったのです!
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