一富士二鷹三茄子!

お正月になると耳にする、「初夢で、一富士二鷹三茄子を見ると縁起がいい!」ですが…
「どうしてこの3つ?」
「茄子だけ急に身近じゃない?」
などと思ったことはありませんか…?
実はこの言葉、江戸時代の文化や言葉遊び、地域性が合わさって生まれた、日本らしい験担ぎ(げんかつぎ)だったんです。
そもそも初夢っていつ見る夢のこと?

初夢(はつゆめ)とは、新年になって最初に見る夢のことを指して言います。
昔の人は、この初夢にその年の運勢が表れると考え、とても大切にしてきました。
初夢を見る時間については、はっきりとした決まりはないのですが、一般的には元日の夜(1月1日から2日にかけて)、または1月2日の夜(2日から3日にかけて)に見る夢を初夢とする説が広く知られています。
このように、時代や地域によって考え方には少し違いはありますが、「新年最初の夢を縁起ものとして楽しむ」という点は、今も昔も変わらない日本の風習とされています。
一富士二鷹三茄子の意味をひとつずつ解説!

一富士|高い山は「成功」の象徴
富士山は、日本一高い山。
そこから、
- 高い目標を達成する!
- 名誉や成功を得る!
といった意味が誕生しました。
また、富士山は古くから神聖な山として信仰されてきた存在でもあることも重要なポイントです!
二鷹|鋭さと強さは「出世運」

鷹は、
- 目が良い!
- 動きが速い!
- 獲物を逃さない!
ということから、
- 出世運
- 勝負運
- 仕事運
の象徴とされてきました。
また、武士の時代には、鷹狩りは身分の高い人(地位や力がある)だけが行える特別な遊びだったことも関係しています。
そのため、縁起のよいものとされてきたのです。
三茄子|「成す」に通じる縁起物

茄子は、「なす=成す」に通じる語呂合わせから、
- 物事を成し遂げる!
- 努力が実を結ぶ!
という意味が込められています。
江戸時代には茄子が高級野菜だったため、「価値のあるもの」というイメージもあったようです。
なぜ、富士・鷹・茄子の3つ? 有力説!

駿河国(現在の静岡)ゆかり説

有力なのが、徳川家康ゆかりの駿河国説です。
駿河国には、
- 富士山
- 鷹(鷹狩りが盛ん)
- 初物の茄子
がそろっており、江戸の人々の間で縁起物として広まったと言われています。
【他説】「高い・強い・実がなる」イメージから説

もう一つは、イメージによる説。
- 富士⇒ 高いもの
- 鷹⇒ 強いもの
- 茄子⇒ 実がなるもの
人生に必要な要素がそろっているという考え方ですね。
実は、一富士二鷹三茄子に “四・五・六” まで続く説がある⁉

〔座頭(ざとう)… 昔に存在した、目の不自由な男性の職能身分(琵琶法師・按摩など)〕
「一富士二鷹三茄子」には、四・五・六まで続くという説もあります。
代表的なのは、
- 四扇(しおうぎ)
扇は末広がりの形をしていることから、運気が広がる・上昇する縁起物とされます。 - 五煙草(ごたばこ)
煙が上へ立ちのぼる様子から、出世や運気上昇を意味します。 - 六座頭(ろくざとう)
座頭は髪がないことから「毛が無い=怪我(けが)がない」に通じ、災いを避ける縁起担ぎとされました。
ただし、これら四・五・六は後世に付け足された説と考えられています。
一般的に縁起のよい初夢として語られるのは「一富士二鷹三茄子」までで、「四・五・六」は知っているとちょっとした話題になる豆知識として楽しまれています。
まとめ|初夢は願いを楽しむもの!

一富士二鷹三茄子は、成功・出世・成就を象徴する、前向きな言葉です。
実際に夢に出るかどうかよりも、「こんな一年になったらいいね」と話すこと自体が、初夢のいちばんの楽しみ方なのかもしれません。
お正月の雑談ネタとして、ぜひ話してみてくださいね!

























